本稿ではセミナーの内容を基に、一部編集して中小企業向けに小さく始めるデジタルブランディングに必要なDXの基礎知識とデジタルコミュニケーション、そしてデジタルブランディングの進め方についてご紹介します。
ブランドコミュニケーションとは
自社を知り、相手を知り、その上で「伝え方を知る」これがブランドコミュニケーションです。
ブランドコミュニケーションのイメージ
ブランドコミュニケーションとは「自社」つまり「ブランド」の個性と「顧客の抱くブランドのイメージ」を限りなく近づけるためのコミュニケーションのことです。
定めたターゲットはどこにいるのか、どこで意思決定するのかを考え、自社のアイデンティティ、独自性を、ふさわしいコミュニケーションで伝えます。
さまざまなブランドコミュニケーション
ブランドコミュニケーションのイメージです。
ブランドと顧客を様々なコミュニケーションツールで結んでいます。
ブランドの魅力をどんなに伝えても、顧客がその魅力を理解し、共感し、支持されなければ、ブランドが確立したことにはなりません。
まず知ってもらい、興味を持ってもらうために、Webサイトや動画、ショールーム、ショップやワークショップ、イベントなど様々な形でブランドを体験してもらいます。
それによって、ブランドが伝えたいブランドのイメージを少しずつ、着実に定着させます。
デジタルブランディングとは
デジタルブランディングのイメージです
デジタル環境の中で、ブランドが伝えたいイメージと顧客が持つブランドイメージを近づけるための活動が、デジタルブランディングです。
ブランドがデジタル上で、ブランド体験を提供し、それを体験した顧客がファンになり、ブランドを知らない人に伝えてもらうことを目指します。
オフラインと基本的な考え方は同じですが、特にデジタル領域では「共感」「ファン」を作る施策が大切です。
SNSでの拡散や、ECのレビューなど口コミが最も説得力のある宣伝であることは、皆さんよくご存知かと思います。
デジタル空間でのブランド体験
ブランドがデジタル上で、ブランド体験を提供するには具体的にはどのようにしたら良いでしょうか。
まずは「誰に」「何を」伝えるのかを考えます。
その上で、様々なコンテンツを通じて語ることで、ブランド体験をしてもらい、ブランドへ愛着を持ってもらいます。
顧客はブランドの何に共感するのでしょう?
商品やサービスの魅力はもちろんですが、ブランドが持つ過去の軌跡や、リアルタイムに発せられる信念、または未来に対する挑戦など、企業が商品やサービスを提供する背景に心を動かされ、共感が生まれ、応援したくなるのだと考えています。
ブランドの過去から脈々と続く伝統、現在取り組んでいる新しい技術、これから取り組もうとしている環境問題など、これらをテキスト、動画、画像で伝えます。
構成を考える際には「顧客の共感を得られるか」を考え、独りよがりにならないように気をつけます。
デジタルブランディングまとめ
自社を知り、相手を知り、その上で「伝え方を知る」これがブランドコミュニケーションです。
デジタルブランディングは、デジタル上で自社が持ってもらいたいイメージと顧客が持つブランドのイメージを近づけるための活動です。
共感され、愛着を持ってもらうためにデジタル上でさまざまなコンテンツでブランドを体験してもらい、まずは社内での浸透を図ります。
社内で浸透しないものが社外で浸透するはずもありません。
コンテンツは「誰に」「何を」伝えるのか意識して制作し、分析ツールを利用しながら、仮説と検証を繰り返します。
そして、最終的には「ブランドの価値」が社員、そして顧客に浸透し、ファン化することを目指します。
大切なのはブランド体験
所有することに価値を見出さなくなり、使用価値に重きが置かれています。どのようなブランド体験を提供できるのか、体験重視の消費行動に、消費者の価値観が移行しています。
どんなプラットフォーム、どんなデジタルツールを使うか、ではなく、自社の製品・サービスのどのデータをどのように活用して、ブランド体験を提供するか、どのようにDXしていくのかまずは社内で考え、小さなPDCAを繰り返すことで社内で少しずつノウハウを蓄積しましょう。