「アイデアと移動距離は比例する」という高城剛氏の帰り言葉を知った時に、“まさしくその通りだ“と強く納得したことを今回の出張中に思い出した。
移動距離が長くなればなるほど、固定観念に捉われ難くなり、心が開かれていくため、自ずと体感したものを素直に受け入れ易くなるのではないだろうか。新しいモノゴトを受け入れていくうちに、幼少期と同じように、もっともっと量を求めていくようになり、同時にその量をしっかり消化しよう、自分の腹に落とそうという意欲が、いつも以上に増していくため、頭がフル回転し、考える質も高まっていきアイデアが湧き上がってくる。
ラザフォードというニュージャージー州の街にホームステイした21歳の夏。予定より一日前に、なんの連絡もせずにホストファミリーの家を訪れたため、部屋もなく泊めてもらえず、初めてのアメリカの地の夜を、モーテルであかした。それから約ひと月半のアメリカ生活は、見るもの行うことが全て新鮮で、とにかく貪欲に吸収した。学校が終わったらバスに乗ってマンハッタンに繰り出し、マンハッタンの街を歩き、ニューヨークの文化を、ニューヨークの発するエネルギーをその時の自分にとっては十分過ぎるくらい体感した夏だった。
この夏に、それまでの人生とは比較にならないくらい数多くのアイデアが頭に浮かんだ。何事に於いてもエンターテイメント性は重要であるということも、この街が気づかせてくれて、色々なアイデアが思いつき、帰国後の生活に役立った気がする。いろんなイベントを仲間と共に企画し、愉しんでいたバブル期。インターナショナルな仕事をしたいと思い始めたのもこの頃だったかな。10日間の国内出張から東京に戻るのぞみの車内にて。