世界中の名だたるブランドが、このミラノ街に一同に会するミラノでの一週間がいよいよスタートした。RHO FIERAで開催されるミラノサローネはインテリアにおける最高峰の見本市、町全体を覆う勢いの、数多の外会場、総じてフィオリサローネも世界各国の魅力的なブランドが創意工夫を凝らした一種独特な手法で自らの世界観を創造し訪れる人を酔わしてくれる。この一週間をいつの頃からかミラノデザインウィークと呼ぶようになった。
気がつけば、このミラノサローネに通い始めて20年の月日が。はじめの頃は、イタリアの家具を学びに、そしてヨーロッパの家具を買い付けることなどが主たる目的だったのですが、MUJIが初出展した頃から、目的もだいぶ変化してきています。もちろん買付のサポートなども行なっているものの、主に出展する、出展を考えて視察に来ている、ブランドを資産として考え始めブランディングを学びにきているなどのブランドのサポートを近頃は行うようになって来ています。
ブランドの哲学、つまり存在意義や価値観、展望についての重要性を、年を経れば経るほど、経験を積めば積むほど強く感じるようになってきている。その哲学をベースにモノやサービスを創り出し、顧客に提供することでブランドと顧客が強く結ばれるようになっていく。どんなベネフィットを顧客に供与できれば、顧客の満足度は高まっていくのか。顧客がブランドのことをどのように想い感じているのかを如何に理解し、如何に実現させるのか。そのために、ブランドコミュニケーションも大きな役割を担う。これらのことごとを考え、実行できるようになってきているのは、やはりこのミラノ影響が大きい。
この1週間、大袈裟でなく朝から晩まで、関わっているブランドの皆さんと共にインテリアブランドはもちろん、自動車、家電、食品、ファッション、時計、ステーショナリー、バストイレタリーなどのブランドのインスレーションを体感し、コンセプトやビジョンなどを記すパネルを読み、コレクションと向き合いながら、昨年との比較をしたり、来年のプレゼンテーションを想像したり、いろいろな仮説を立ててみたり、そして世界中から集い自社の会場に訪れるプレスやバイヤーなどと接し応対することで新たな気づきにでも出会う。
2018年の春も、このミラノで色々な気づきを感じ、昨年とは異なる一年にしていきたい。