初めてのセミナーは今から12年ほど前。ちょうど独立間近という頃に知人より頼まれ、遠藤照明さんの青山のショールームで3日間、三井ホームさんや三菱地所ホームさんなどのコーディネーターさん向けに行なったインテリアセミナーでした。毎年通い続けていたミラノサローネで自らが体感してきた内容を主なベースとし、インテリアをつくり込むにあたってのテーマづくりやポイントなどについて話したような気がします。
その後、起業してからは、自らにセミナーの実施を課し、だいたい年4回程度のペースで行っています。2007年よりジェトロの輸出支援事業のデザインプロダクト、伝統産品のアドバイザーを勤めてからは、『輸出』『海外販路開拓』『海外見本市』などもテーマに加わり、その後ブランディングをコンサルティングの主にするようになってからは、『創ると伝える』『ブランドアイデンティティ』『ブランドコミュニケーション』などをテーマにする機会も増えてきています。
どのようなテーマであっても、聴講者が経営者、従業員、個人、行政とどのような方々であっても、セミナーを実施する際に、常に意識しているのは、何を伝え、心に響かせ、行動にどの様に反映してもらいたいかを明確にし、ビジュアルイメージを用いて簡潔に伝えるということです。会社員時代の事業計画発表会で事業計画をマネージャーとして発表する際に、社長より聴講者が楽しんで聴けるように「聴講者のことを考えて自分の言葉で、工夫して話しなさい」と言い続けていただき心がけてきたことも、とても役立っています。
今回は、ロシア政府主催のサンクトペテルブルク国際経済フォーラムにて『日本の簡素な美 ―それを支える価値観・ものづくり』というテーマでセミナーを実施しています。本日はその初日でした。ロシア人の通訳の方に、事前にプレゼンテーション資料を一式お送りはしておりましたが、さらに『日本の簡素な美』に対する理解を深めてもらい、魅力を感じてもらうために、午前中にじっくり時間を掛けて、伝えるべく内容を細かく説明。こちらの国立大学で日本文化論、日本文化史を教えている方なので、理解度も高く、本日のセミナーもほぼバッチリ。本日紹介したブランドさんたちへのロシアからの問い合わせや来訪者が増えるのではないかなと思っています。明日、明後日も通訳の方との二人三脚で、聴講者に『日本の簡素な美』の魅力を伝えていくつもりです。